建設キャリアアップシステム(CCUS)は、建設技能者の技能と経験を登録蓄積しその処遇の改善を図るとともに、事業者による現場管理の効率化を促進するものとして位置づけられています。
CCUSへの登録は技能者登録と事業者登録とに分かれます。技能者登録は技能者自ら行なうことができますが、技能者が所属する元請業者、上位の下請業者が代行することもできます。
事業者登録は、自社の登録だけでなく、同意に基づいて他社の登録を代行する方法が認められています。
登録事務はインターネットを通じて、パソコンやスマホで行なうことができます。
なお、登録は通常事業者登録から行なうよう推奨されています。これは技能者登録を行なうときに所属事業者の登録が求められるためです。一人親方については、その実態に応じて事業者登録が不要とされる場合もあります。
技能者登録をすると、登録技能者に対してキャリアアップカードが交付されます。キャリアアップカードは技能者の知識・技能(保有資格)、経験(就業履歴)、マネジメント能力(登録基幹技能者、職長経験)によってつぎの4段階に区分されています。
- レベル1:初級技能者(見習い)
- レベル2:中級技能者(一人前の技能者)
- レベル3:職長として現場に従事できる技能者
- レベル4:高度なマネジメント能力を有する技能者(登録基幹技能者等)
建設現場では、技能者のキャリアアップカードを現場に設置したカードリーダーに読み込ませることによって技能者の就業履歴を蓄積します。
登録技能者は蓄積された技能・経験によってキャリアアップカードのレベルが上昇し、それが技能者のキャリアとしてCCUSを通じて認められることになります。
システムには技能者情報のほか、現場情報が記録され、事業者の施工体制管理の効率化を図るものとなっています。また、事業者の経営管理に関わる部分では、社会保険、建退協などがCCUSと連携してこれらの業務の省力化・合理化を実現するしくみになっています。
登録申請には、証明書等の添付資料が求められますので、手続きは必ずしも簡便とはいえませんが、行政書士が自ら事業者として登録し、CCUSの技能者登録・事業者登録を代行する方式もシステム化されていますので、検討に加えていただくといいでしょう。
CCUSへの登録料金については、つぎのURLをご参照ください。
・CCUSの利用方法・料金(https://ccus.jp/p/about#price)